婿殿の登場
後輩の結婚式が終わった数日後。
とつぜんK課長から伝えられました。
「後輩の旦那が事務所へ挨拶に来るらしい」
説明が面倒なのですが、後輩の旦那さんはK課長と同じ会社の別部署で働いています。
そいう状況での突然の妊娠、結婚。
パートさんもいなくなる時の出来事だったので、余計に現場が混乱したのでした。
そこでご迷惑をかけたと挨拶をしたいと課長のところへ連絡が入ったのでした。
そしてその挨拶に同席させられることになったリープ。
なに話していいかわからない。
順調にいってた職場をよくも〜っていう気持ちもほんの少しあり、幸せになった欲しいなぁという思いがかなりあり、なにより、旦那さんってどんな奴か見た〜い!という気持ちが大部分。(好奇心ばかり)
しかし。
やはりウチの職場の後輩をかっさらっていった相手はどんな人か、見極めたい気持ちもあり。
とはいえ、本音を言えば、
「え〜別に会いたくない」でしたww
いや、なんか気が進まないというか、どう接して良いかもよくわからない。
話したいようで見たいようで、話したくないし、見たくないし……
なんというか、娘を嫁に出す父親の気持ちとはこんなものなのだろうか?
(違う)
……で。あっという間に日時が過ぎ、当日。
後輩もすでに旦那さんがくることがわかっていたけど、定時ですぐ帰り(同席なんてしたくないという理由)、僕と課長は到着を待つ事になりました。
そしてしばらくして後輩の旦那さんが到着。
会議室で三人になりました。
結果は……普通に好青年でした。
当然のごとく僕は何も話をせず(ヘタレ)、K課長と旦那さんがずっと話をしていました。
まぁね、実際話すことなんてないですよ。
きっとアレですよ。
お嫁さんの父親が黙っているのは、怒っているわけでも、観察しているわけでもなく、「何話していいかわからない」からって分かりました。
次の日、後輩に
「リープさんは何にも言葉を発しなかったと、相方が言ってました」
と言われましたとさ。
一応、「めでたいことなので気にしないで下さい」って言ったのに!
(それだけかよ)
んで、数日後、後輩は無事退社していきましとさ。